美しさと楽しさが同居するシンデレラの仕掛け絵本
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魔法の絵本!

以前、「不思議の国のアリス」の絵本をここで紹介したと思います。あれから時々絵本店を訪れて本を見ているうちに購入してしまいました。
皆さんもよーく知っているお話「シンデレラ」の仕掛け絵本です。普通の絵本よりちょっぴり値段はしますが本を開いた時の驚きと楽しさは間違いなくお値段以上です。
今回は、サクッとこの絵本を紹介していきます。
お城が建つ、人形が踊り出す、紙に命が宿った絵本

ページを180度開くと仕掛けがここまで広がります!
著者についての紹介
作者:マシュー・ラインハートさんは、1971年生まれのアメリカのしかけ絵本作家。
こどもの頃から美術に興味を持っていたマシューさんは、大学卒業後に運命の出会いを果たします。
以前こちらで紹介した「不思議の国のアリス」をテーマにしたスーパー・エンジニアのロバート・サブタさんとの出会いです。
ロバートさんに工学の勉強を勧められ、しかけ絵本の世界へ行き、ロバートさんの下で技術を学び、力をつけていきました。
デビューしてからもロバート・サブタさんとの共同制作作品があります。 恐竜がたくさん飛び出す絵本で、これも日本国内で販売していると思います。
マシュー・ラインハートさんの作品の特徴として、この「シンデレラ」で見られるようなドレスなど美しい表現や車などの華やかな部分、そして物語の語り部としての上手さも評価されています。


作者のマシュー・ラインハートさんは魔法使いです!
この絵本で驚いた・楽しいと思った仕掛けを紹介します。
1: 嫌味なお姉さんたちが舞踏会へ行く準備をしている場面。
お姉さんのお腹に注目!


ページを開くと、ドレスを縛り上げてお腹が少しへこんでるのわかりますか?
2:ねずみが従者に!紙の魔法。


黒いネズミが現れてページを開くと、あら不思議!おじさんの従者に変わります。 物語でお婆さんがシンデレラのために馬車などを魔法で用意しているシーンです。
3:シンデレラといえばガラスの靴

ページをめくると透明の靴が出現。 もちろんクライマックスで王子様がシンデレラにガラスの靴を履かせる動きも表現されています。
最後にもう一つ。

舞踏会でのダンスのシーン。 ページ開くとクルっと人形たちが回ってダンスしてくれるのです!
どういう仕組みだろう?と各ページの仕組み部分を見てみたい欲求にかられます。
大きなしかけに目がいきがちですが、例えばお城の窓の中に人が描かれていて細かいところまで作りこまれているので、大人でも十分楽しめるはずです。
こうやって見ていくと「動きを考える力」と「描く力」の両方が必要なペーパー・エンジニアという仕事は奥が深いんだなと感じます。
魔法のつまった絵本。 店頭で手に取ってみてください。 ひとたび見たらあなたも惹かれること間違いなしです。
値段:5000円でした。
私はえほん生活WAKASA&Co.BOOKS名古屋伏見店で購入しました。
また、面白い絵本を見つけたら紹介します。
追加情報:シンデレラって、灰や燃えカスを意味するcinderと女性やこどもにつけられる接尾語ellaを組み合わせた名前なんですね。
書いてるひと
青木雅司

美術検定1級アートナビゲーター
昔、大阪と名古屋でラジオ局のディレクター長いことやってました。
あいちトリエンナーレ2013メンバーでした。
書くことが好きです。