どうも、言葉を覚えたメンヘラです。嘘です。
今回は愛されたいと願う人々へ『言葉』という題材を用いて、したためさせていただきます。
言葉を覚えただけのメンヘラが1番ヤバいですよね。
気持ちに負けやすい人が、感情論を人よりも言語化する事で、暴論を押し通すパワー系メンヘラと化しますから。
でも言葉を覚えただけで、他人の気持ちや常識は知らないので、言葉が使えなくなったらひたすら暴れますよね。
幼い頃から国語の授業や読書が大好きなのですが、育ちなどもいろいろと相まって、大人を敵対視して警戒して反骨精神が高まってしまい、それに加えて言葉だけ先に覚えた事により、いざとなった際に口達者で可愛げがない子供になってしまったので、沢山の失敗をしました。
これが言葉を覚えただけのメンヘラですね。
十代とはいえど、実に浅はかで幼稚。
他人に素直に甘える事を知らなかった節も、その要因の一つだったと思います。
自分の絡まった感情を早く知りたくて、言語化したくて、生き急いでいた私に読書はもってこいの趣味だったのですが、高校生になって丸く優しく簡潔に、長さも難しさも鋭さも削ぎ落とした言葉を口にする喜びを知りました。
良い友達に巡り会えて本当に良かったです。
遠回りで難しい言葉ばかり頭に入れてきた私には、ストレートな言葉を言うことは逆に恥ずかしくなかったです。
何も誤魔化していない感じが気が楽でした。
尊敬の気持ちや愛する気持ちを口にするだけならタダだし。
そして何より、好き勝手に友達の好きなところを口にしているだけなのに、私の自由により、誰にも迷惑がかからず、傷つけない事が、気が楽だった。
心の底から好き勝手やって、素直でいられる時間が少なかったので、友達への愛情を言語化する事は、一種のストレス発散だったのかもしれない。
本は私の生活や感情や見えない部分まで全てを言語化してくれて、寄り添ってくれている気持ちにもなっていましたが、たまに現実世界に戻って線引きをしないと、視え過ぎてしまうんですよね。
視える事で生きやすくなると思っていましたが、マイナスな出来事までも敏感に言語化できてしまい、嫌いなものが増えたり傷つきやすくなるので利点ばかりではないです。
覚え過ぎた感情や言葉を人のために使う事、仕事などの自分のやり甲斐に使う事も覚えないといけません。
自分のためだけに言葉を覚えた人の周りから、人が離れていく様をよく目の当たりにします。
それよりも、一番見ていて苦しいなと思ったのは、言葉を知らないメンヘラです。
言葉や他人の感情を知らないから、安直な鋭さで他人を傷つける。
他人に言ってはいけないと義務教育で教わった、シンプルすぎる悪口を大人になっても言ってしまうのです。
特に自分の意思を伝えたい際や、感情が昂った時に面と向かって言います。
お話にならない人というレッテルが貼られるので、誰かと一緒に居たくても、本質を理解して支えてくれる人にも出会えなければ、自分の気持ちを言語化できないので真面目な話し合いも、楽しい会話もできないのです。
若い時は、「若者言葉で喋る人だな」と思ってもらえますが、歳を重ねると本質がバレてきて本当に辛そうです。
繊細に一人ぼっちって、鬼に金棒の逆バージョンみたいな…そんな感じになっているんですよね。
繊細って「息を吸う」という、当たり前の事から人一倍努力をしないといけない運命なので、その不平等さに悲しみや絶望や苛立ちを覚える気持ちは分かりますが、人は誰しも生まれながらの悩みなんていうのはありますから、自分だけが可哀想と思い込んで逃げてばかりだと、上記の人間のようになるので、身が引き締まりますね。
複雑な精神を携えているのに、教養と人望がないってかなり生きづらそうですよね。
複雑な精神を携えている事は自覚しているので、そんな自分に満足をして、言葉を覚えないナルシズムの逃亡だったりもするのかな。
逃げるナルシストって矛盾していて恥ずかしい。
これが今話題の共感性羞恥ですかね。
言語化能力って身を助けるけれど、正直な人間でないと悪用しますし難しいですよね。
言語化能力って、タダで身につく趣味であり武器ですが、使い方を間違えると恐ろしいですよね。
今はSNSの時代ですし、若者が、より繊細で敏感な感性になってきていますし。
言葉の裏にちゃんと気持ちがないと、ただ口がうまいだけの薄っぺらい人間になってしまいますよね。言葉より態度とはこの事。
家で本を沢山読んでいるだけでは、この世の事は何も分からないし。
口が上手い人ほどめくりにめくってみて、ストレートな言葉で話さなくてはいけない場面で、何と言うかで、人となりが分かると思いますよ。
言葉を覚える事と、他人の気持ちを理解する事を天秤にかけたら、圧倒的に後者を優先した方が良いと私は考えます。
とっても単純な言葉で問いかけるとしたら、優しいバカと、頭の良いイジワルどちらが好きですか?
自分がなるとしても前者が良いです。
オフィスの最前線で戦うビジネスマンに問いかけたら、また別の解答が返ってきそうですが、友達になるならどっちが良いかという視点で聞いてみました。
ビジネスで成功したい時って、多少のセコさも必要ですから難しいですよね。
今はオフィス街では呼吸ができないメンヘラの話をしているので、一旦忘れてください。
あれこれ言わせていただきましたが、言葉は感情や経験に後からついてくるものだと私は思っています。
人は愛されることよりも、物や人や経験や過去や自分を愛することでしか変われないんですね。
言葉や感情を知るためには書を捨て街に出るしかない。
愛する人ができた時にその気持ちを言葉にしたくなり、美味しいものを食べた時や好きなアーティストを見た時にその気持ちを言葉にしたくなり、物事を経験して誰かに話したい時に言葉にしたくなる。
だからオタクって言語化能力が高いんだ
愛する事で人間は変われるという事を知らしめてくれる模範は、目の前にいました
執筆者 赤城文(あかぎ・あや)
FREEZINEにてコラム「文系恋人放浪中」連載中